消費カロリー > 摂取カロリーになってれば何食べてもいいの?←ダメですという話

去年の11月末からダイエットを行っていて、10kg以上痩せました。(身長170cm、78kg→65kg)

太ってしまっていたので正常な体重に戻ったというのが感覚としては正しいのですが、10kg以上のダイエットに成功すると周りからダイエットや筋トレに関して相談を受けることが多くなりました。

今回はそんなよくある疑問にお答えしたいと思います。

消費カロリー > 摂取カロリーにならないと痩せないのは分かるけど、何食べてもいいの?

結論からいうと、ダメです。

例えば痩せようと思ってダイエットを始める人が1500kcal前後で食事を制限したとして、ラーメン屋やお菓子などをずっと食べて痩せるでしょうか。

短期的に見たら、もしかしたら痩せるかもしれませんが、これでは痩せることができません。

なぜならカロリーのみを基準として考えてしまっていて、食事の栄養素について全く考慮してないからです。

なぜ栄養素のことを考えなければいけないのか解説します。

①マクロ栄養素(3大栄養素)のバランスが大事

コンビニなどの食品には大体成分表が書いてると思いますが、この成分表はカロリーの他にタンパク質 / 炭水化物 / 脂質の量が書いてあります。 この3つを総称してマクロ栄養素もしくは3大栄養素と呼んでいます。

このマクロ栄養素はそれぞれ大事な役割をもっていて

  • タンパク質:骨、筋肉、髪、肌などをつくる元となる栄養素
  • 炭水化物:脳や筋肉が動くエネルギー源
  • 脂質;ホルモンの働きを促したり体の調子を整える

学校の授業で勉強する内容のようですが、基本的にどれも体にとって必要付かけるな栄養素です。

タンパク質を減らすとどうなるか

たとえば、ラーメン屋やお菓子などのジャンクフードは脂質と炭水化物が大量に含まれているためタンパク質が不足してしまいます。 このような食生活を続けていくと筋肉をつくる元になるタンパク質が不足していき、筋肉量が徐々に低下していきます。

こうなるとどういうことが起こるかというと、基礎代謝が以前のように保てなくなって脂肪を燃焼する量が減少してしまいます。

運動をしている人であればなおさらですが、タンパク質を十分に摂取出来ていないと筋肉の発達へ十分な栄養を当たらえることができないため、高強度の運動や高重要の負荷を扱えなくなってきます。

炭水化物を減らすとどうなるか

また、糖質制限ダイエットのように炭水化物を制限してしまうと今度は脳や筋肉が働くエネルギーが不足してしまいます。 よくあるのが、糖質を極端に制限してしまうと常に頭がぼーっとしてしまうような状態になってしまうので、最低限の糖質は確保しなければなりません。

運動をしている人であれば、いつもよりエネルギーが足りていないので、パフォーマンスの低下や、いつもより早く疲れがきてしまったりしてしまいます。

脂質を減らすとどうなるか

例えば蒸した鶏胸肉や野菜などを摂って、脂質を極端にカットしてしまうと一見健康的に見えますが、肌荒れや感想肌になりやすくなります。

また、体脂肪率が低い状態で脂質を減らしてしまうと体温を保つ機能が低下してしまうため、風邪を引きやすくなります。

このようにどれかを極端に減らしてしまうと何かしら体への変調が出てくるので、自分の体と相談しながら調整していくことが大切です。

② よくある疑問:適切なバランスはどのぐらいか(170cm、60kg、25歳の男性、デスクワーク勤務の場合)

①ではマクロ栄養素について書きましたが、じゃあどれも減らせないじゃんとなってしまいますが、一応適切なバランスはあります。

まずは一日の基礎代謝を知る

基礎代謝の調べかたはいろいろあってあくまで指標として考えてほしいのですが、MD Mifflinという計算式が有名なので今回はこちらを使用します。 計算式とかめんどくさいという方は検索できるサイトがありましたのでこちらを利用すると結果がわかりやすいです。

書籍用マクロ計算ページ | DIET GENIUS.jp

計算式は 1. 基礎代謝を測る 2. 日中の運動量を測る 3. 目的に合わせて量を調整する 4. 計算式に合わせてマクロ栄養素を当てはめていく

という順になります。

基礎代謝を測る

  • 〈男性〉10×体重(kg)+6.25×身長(cm)-5×年齢(歳)+5
  • 〈女性〉10×体重(kg)+6.25×身長(cm)-5×年齢(歳)-161

例えば、「170cm、60kg、25歳の男性」の場合は基礎代謝量が1542.5kcalとなる。

日中の運動量を測る

これは結構ざっくりいていて

  • アクティブ度が低い人:基礎代謝×1.2(座り仕事が多く、1日の運動は歩いたり階段を上ったりする程度)
  • アクティブ度がまあまあ高い人:基礎代謝×1.55(立ち仕事や重労働が多く、比較的一日中動き回っている)
  • アクティブ度が高い人:基礎代謝×1.725(立ち仕事や重労働が多く、それに加えてジムでのトレーニングや運動をしている)

という計算になるため「170cm、60kg、25歳の男性、デスクワーク勤務(アクティブ度が低い人)」だと1851kcalになります。

目的に合わせて量を調整する

ここでは計算した内容から、目的に合わせて摂取カロリーを計算していきます。

  • 減量:0.8
  • 現状維持:1
  • 増量:1.2

目的に合わせて消費カロリー x 目的別の数値を入れていくと、自分の目的にあった摂取カロリーを求めることが出来ます。

ここでは仮に減量を目的とすると「170cm、60kg、25歳の男性、デスクワーク勤務(アクティブ度が低い人)」の摂取カロリーは1481kcalが目安となります。

計算式に合わせてマクロ栄養素を当てはめていく

ここから①で書いたマクロ栄養素の話が出てきます。各栄養素は1gあたりのカロリーが決まっているのでそのカロリーを元に計算していきます。

  • タンパク質:1g→4kcal
  • 脂質:1g→9kcal
  • 炭水化物:1g→4kcal

この数値を元に以下の計算式を上から順に当てはめていきます。

  1. タンパク質は体重の1kgあたり2g
  2. 脂質は総カロリーの25%
  3. 炭水化物(≒糖質)は総カロリーからタンパク質と脂質のカロリー数を引いたもの

タンパク質(120g : 480kcal)

60kgx2g=120g。カロリーに計算し直すと120g*4=480kcal

脂質(41g : 370kcal)

1481kcalx0.25=約370kcal 重量に計算し直すと370/4=約41g

炭水化物(158g : 631kcal)

1481kcal-(480kcal+370kcal)=631kcal。重量に直すと631kcal/4kcal = 約158g

となります。

ややこしいのでまとめるとこれぐらいのバランスになります。

タンパク質 : 3 / 脂質 : 2 / 炭水化物 : 5を目安の割合として考える

実際のところ若干のバランスを調整することはありますが、この割合を守っていれば大体OKなので、増量・現状維持・減量どれでもこの割合を守りながらどれだけカロリーを摂取するかで決まってきます。

計算式に当てはめて値を出してみるとちょっと変わってきますが、ざっくりとした目安はこのぐらいとして判断してみるのがよいと思います。

③ 続けるコツは毎日決まった食事をとること

適切なバランスもわかったところで後はそれに沿って食事を取るだけですが、これを続けるのはそれなりに大変だったりします。

一番のコツはとにかくカロリー内で決めたバランスの食事メニューを一度決めてしまい、それをしばらく食べ続けるといったことです。

仕事によっては人付き合いで飲み会が多かったり、どうしても食事のタイミングが不規則にならざるを得ないので難しいことがありますが、こういう場合は前後で量を調整してだいたい同じようになるぐらいにするといい感じになると思います。

いきなり減量用の食事にしない

真面目な人にありがちな落とし穴ですが、今まで2500kcalぐらい取ってた人が減量用の食事を1500kcalぐらいに設定して「じゃあ明日から減量だ」とはじめても結構な確率で挫折します。

今まで当たり前のように食べていた食事を大幅に変えるのでかなりの物足りなさを感じるためずっと空腹を我慢することになり精神的にキツイものがあります。

僕自身もいきなり食事を変えて減量しはじめるとかなりの空腹感があり、どうしても何か食べたくなる衝動にかられてしまいます。

これは生活習慣的にその食生活に慣れてしまっていたためなので、いきなり変えるのは挫折するリスクが高いので、徐々に食べる量を減らしていることが現実的です。

なので最終的に減量用の食事ができていればOKで、それまではある程度量を減らしていく期間を設けていると続けやすいです。

食事管理は最初面倒くさいけどコツコツやっていると効果が出てくる

ダイエットと食事管理は切っても切り離せないんですが、食事管理が苦手...というか嫌な人が多いです。

「食事管理をしないでダイエットできる方法はないですか?」という質問を受けるぐらい一般的には食事管理は大変ですが、毎日コツコツとやっていくことが一番の近道になるので、諦めずに続けていきましょう。

それでは以上です。